スマホ離婚

「スマホ離婚」という言葉があります。

あなたはスマホを使っていますか?

総務省の平成30年版の動向調査によると、携帯やPHSも含むモバイル端末全体では94.8%、スマホだけでみても75.1%の世帯保有率です。

仕事で使ったり、連絡ツールや便利な道具として、スマホはなくてはならないものになっています。

今では、小学生も高齢者も、もちろん専業主婦もスマホを持っている時代になりました。

LINEなどのアプリが、学校や幼稚園や習い事など、子どもの生活の連絡ツールとしても使われ、スマホは”あって当たり前”というものになりました。

しかし、この便利なスマホが原因で、夫婦が危機を迎え、離婚にまで発展するということが起きているのです。

今日は、夫が妻のスマホ依存に困り果てて、離婚を考える「スマホ離婚」について考えてみましょう。

まず、夫が妻に「スマホ離婚」を考える理由や原因を挙げてみます。

  • 妻がスマホをずっと手放さない。家の中でもずっと持ち歩いている。食事中も話しかけても上の空で嫌気がさす。
  • 妻がスマホゲームに熱中している。課金も心配。課金がなくても長時間ゲームに費やし、リアルタイムで対戦し順位を争っている様子が全く理解できない。
  • SNSやゲームを通じて知り合った人とのやりとりが続く。こっそり妻のスマホを覗いたら、独身のフリをしていたり、夫である自分の悪口などが書いてあり、妻の人間性を疑い信頼できなくなった。浮気や不貞も疑ってしまう。
  • 一緒に暮らしているのに、スマホに向かってばかりで会話もなくなり、コミュニケーションを拒否されている感じがして、夫婦仲にも亀裂が入っている。
  • 専業主婦なのに、家事がおろそかになり、育児にも悪影響が出ている。言っても頼んでもスマホをやめないし、直そうとしない。
  • 「スマホ依存」だと伝えても、妻は無視して変わろうともしない。

このように夫婦としてのコミュニケーションも取れないようだと「離婚したい」という気持ちになっても仕方ないかもしれませんね。

では、妻がスマホに依存しているという理由で、離婚ができるのでしょうか。

夫婦間で話し合って決める「協議離婚」の場合は、特に離婚の理由を問われませんので、夫婦双方が「離婚しよう」と思えば離婚は可能です。

夫婦で話し合いができずに離婚調停を申し立てるとしたら、「妻のスマホ依存が夫婦生活や家族に大きな影響を及ぼしている」という証拠があると有利になるでしょう。

金銭的な面で考えると、離婚に関わる養育費・婚姻費用・財産分与については、直接関係ありませんが、慰謝料に関しては、「スマホを通じて知り合った男性と妻が不貞関係になった」場合や、「ゲームの課金が多く、家計を圧迫している」などと認められれば、慰謝料請求も認められる可能性があります。

しかし、妻に「スマホ離婚」を伝える前に、まず、妻の”スマホ依存”に対しての対応策や予防策を試してみることをおすすめします。

例えば、「君はスマホに依存気味だと思う。家族には関心がないように感じてしまう。このままだと夫婦でい続けられるか不安にもなっている。何とか改善してもらえないかな」というように、妻に自分の気持ちを話してみましょう。

具体的な対応策や予防策としては次のようなものがあります。

①約束事を決める

例えば、「家族で過ごしているときはスマホを見ない」「話しかけたら手を止めて目を見て話す」「きちんと会話をしてコミニケーションを取る」「スマホを触らない日をつくる」などのルールを決めることで、少しでも依存の状況から離れてもらうようにお願いしましょう。

②夫婦関係を見直す

実は、妻が夫と関わりたくなくて、始終スマホを触っているというケースもあります。

わざと夫とコミュニケーションをとることを避けている場合、いくら「スマホから離れてほしい」と話しても、改善は見込めません。

夫に対する不満があるのかもしれません、妻の話をじっくり聞く時間を持ちましょう。2人で話せなければ「夫婦問題カウンセラー」の力を借りることも視野に入れてみてください。

③自由な時間、干渉しない時間を作る

妻のストレス発散や気分転換のためにも「スマホをずっと触るな」と言ってしまう訳にもいきませんね。

「夜中までスマホををして睡眠不足で朝起きれなかったりで、家事や育児や仕事に影響が出ないようにする」という条件で、自由な時間、干渉しない時間を作るということも一案です。

④ゲームなどの課金はしない、上限を決める

スマホのゲームの課金で家計を圧迫しているケースもあります。

この影響で夫の小遣いが不足したり、貯蓄ができなかったり、実際に不安にもなります。

ゲームの課金については上限額を決めるか、無料のゲームだけを楽しむ等の工夫が必要です。

また、リアル対戦や順位を争うゲームについては、どうしてもゲーム時間が長くなったり熱中しすぎたりするので要注意です。

⑤ SNSなどに対する考え方を変えてもらう

Facebook、Twitter、Instagram、LINE等のメッセージに「すぐに返信しなくては」と考えている場合もあります。

急を要したり、仕事上の急ぎのことでなければ、「時間が許す時にまとめて返す」という習慣をつけてもらいましょう。

⑥対策アプリや時間制限アプリを使ってみる

スマホを触らない時間が長いほど木が育っていく育成ゲーム等もあり、ゲーム感覚で使用時間が減らせます。

また、設定時間になるとスマホがロックされるアプリもありますので、必要に応じて有効に使えるといいですね。

⑦ スマホを触っていた時間を知る

自分ではそれほど長い時間スマホを触っていたという意識がないものです。

スマホには使用した時間がわかる機能がついています。妻自身がスマホを使用していた時間を知り、気にすることでスマホに触れる時間が減ることも期待できます。

いかがですか?

他にも「画面に出たり音が鳴る”通知機能”を切る」「スマホ以外のものでニュースを見たり音楽を聴いたりする」「他に熱中できる趣味を見つける」などの対策もありますので、できそうなことから試してみてください。

いろいろ試しても、妻が変わらなかった時には「離婚」も視野に入れて考えましょう。

理想としては、スマホを使う時間を一日に1~2時間にできるといいですね。

妻のスマホ依存が進めば進むほど、夫婦の会話やコミュニケーションが減り、夫婦の危機に陥りやすくなります。

できるだけ早いうちに何らかの対処をすることをおすすめします。