「妻が掃除をしない」という理由で、離婚ができるのでしょうか。
専業主婦の妻が、「不得意」や「嫌い」という理由で掃除をしないことに困っている男性からの相談があります。
妻に優しく「掃除してほしい」と頼んでも一向に掃除をすることはなく、散らかってホコリの積もった家ではくつろげないので、「仕事が終わっても残業したり寄り道したりして、わざと家に遅く帰る」という話も聞きます。
“妻が掃除をしない”ということが理由で”離婚”まで考えている男性は、具体的に妻のどのようなことが不満なのか考えてみましょう。
- 「私は気にならない、気になるなら貴方がやれば」と言われる
- 「ホコリでは死なない」と開き直る
- 「後でやるから」とあと回しして、結局やらない
- 掃除のことを言うと夫婦喧嘩になる
- 言った時はするけど、言わないとやらない
- 取り込んだ洗濯物がソファーに積んであり、子どもも自分もそこから掘り出して服を着る
- 台所のシンクには使った鍋や食器が山積みになっている
- ゴミやペットボトルなどを捨てないので、常に溜まって散らかっている
- 使っていない物を捨てようとすると「もったいない、まだ使えるのに」と捨てさせてもらえない
- 片付けようとすると「私がやるから」と言うけど、絶対やらない
- 「安かったから」と物を買って増やすのに、物は捨てないので増える一方
- 見かねて片付けようとすると「嫌味だ」と言われる
- 散らかった家に帰るのが嫌になる
妻が掃除をしないことで夫はこのような多くの不満を持っているのですね。
しかし、妻が掃除をしないというだけで、「離婚する」という決断をするのは少し待ってください。
離婚の決断をする前に、できそうな対策を試してみてから考えても遅くないのではないでしょうか。
妻が掃除をしないことへの対策を7つ挙げてみます。
対策①部屋がきれいになることでどんな良いことがあるか伝える
掃除をして部屋がきれいになることで「運気が上がり、良い事が多く巡ってくる」「風水では金運も上がると言われている」「探し物に使っていた時間がなくなる」「掃除することでダイエットにもつながる」など、掃除をして部屋がきれいになることで、良いことがたくさんあることを伝えてみましょう。
対策②専門家や業者に頼み、一度家をきれいに片付ける
掃除が得意でないお宅は、物が多く、床が物で埋まっていて、掃除機をかけることが難しいという状況が多く見られます。
お片付けの専門家や掃除業者に依頼し、不要なものを思い切って捨ててもらったり、上手に収納してもらうことで家が片付きます。
片付いた部屋で気持ち良さを味わってもらい、物が少ないと掃除がしやすくなることを実感してもらうことも一案です。部屋が片付くことで、お掃除ロボットを有効に使えるようになりますし、綺麗な状態を維持しようという気持ちにもなるかもしれません。
対策③子どもに影響が及ぶことを伝える
“掃除ができていない散らかった家”で子育てをすることの不安や心配を、妻に伝えてみましょう。
ホコリが原因でアレルギーや喘息など病気の心配が考えられます。家の中で物につまずき、転ぶ心配もあります。
片付けられない子どもになってしまうかもしれません。使いたい物が見つけられなくて、学校に忘れ物をしてしまう可能性もあります。
できれば、貴方とお子さんの部屋やスペースだけでも、自分で片付けて掃除することもおすすめします。
対策④掃除や片付けのテクニックを一緒に学び、実践する
もしかしたら妻は”掃除の仕方や片付けのテクニック”を知らないだけかもしれません。
ネットで探すと”お片付けのセミナー”や”効率の良い掃除の仕方”などを見つけることができます。
夫婦でセミナーに参加したり、学びながら実際に家を片付けたり掃除をすることで、家もきれいになり夫婦のコミニケーションも取れますので一石二鳥です。
そして、その後、妻が少しでも片付けられたら、褒めて認めて自信をつけてあげましょう。
対策⑤妻が専業主婦の場合、パートに出る提案をしてみる
妻が専業主婦の場合、少しの時間でもパートに出てもらい、”得た収入で家事代行を頼んで掃除や片付けをしてもらう”という考え方もあります。
お金を稼ぐ大変さが理解でき、無駄な買い物を防ぐ効果もあると思います。共働きしてると思えば、貴方も「掃除ぐらい俺が担当しようかな」などと思えるかもしれません。
対策⑥妻がADHDで片付けが苦手だという可能性もある
ADHDとは発達障害のひとつで「注意欠陥多動性障害」のこと。
注意力の欠如や、気が散りやすい、多動、せわしないなどの傾向があり、そそっかしく落ち着きがない、忘れっぽいところが見られます。
ADHDは、性格ではなく障害です。”どうしても片付けができない”という一面もありますが、得意なこともありますので、役割を分担したり、一緒に計画を立てたりすることも有効です。
「妻はもしかしたら発達障害かも」と思ったら、専門医に相談することもおすすめします。
対策⑦どうしてもダメなら離婚を視野に入れて考える
いろいろ試しても思うように変わらない場合、妻に「どうしてもできないなら離婚を考える」と伝えてみましょう。
焦って掃除するようになるかもしれません。あまり甘やかしすぎても、妻がつけあがったりダメになってしまうこともあります。
それでも変わる努力をしないようなら、本格的に離婚に向けて準備を始めましょう。
いかがですか。
そもそも、「妻が掃除をしない」という理由で離婚ができるのでしょうか?
あなたが妻に離婚を話し、妻も離婚を承諾すれば「協議離婚」が成立します。
離婚届を記入して提出すれば離婚は成立です。
しかし、妻が離婚を拒否した場合には、離婚調停を申し立てることになります。
離婚調停や、その先の離婚裁判では、「婚姻を継続しがたい重大な事由」の有用な証拠があると有利になります。
この場合の証拠としては、例えば以下のようなものです。
- 妻が、「掃除だけでなく、他の家事全般や子育てもしない」というようなことがわかる写真や記録など
- 片付けてほしいと頼んでも、無視されたり、反撃で殴られたりした場合の記録、証拠写真や診断書など
- 部屋が汚くてホコリやチリ・ダニが原因で子どもが喘息や酷いアレルギーになった場合の診断書
- 家が汚く、夫婦関係も破綻していて帰宅恐怖症になり、別居が長くなった場合
これらの証拠は、離婚調停でも調停委員に事情をわかってもらう材料にもなり、有用な証拠が多くあることで、妻を説得してもらえる可能性が高くなります。
離婚を考えていても考えていなくても、妻が掃除をしないことがわかる写真、日記、診断書などの証拠をできるだけ多く集めておくことが大事なことなのですね。
貴方に「女が家事をするもの」という固定観念があれば、それも問題です。
気になった方が掃除や片付けをしてもいいのです。
もし、逆に妻が極端にきれい好きだとしても大変だと思いませんか?
貴方がちょっとリビングに物を置いただけでも怒られたり、勝手に物を捨てられてしまったり、使おうと思っていた物を片付けられてしまったりして困っている男性もいるのです。
お互いに歩み寄れるところは歩み寄り、夫婦が心地よいペースでうまく家事を分担して、できないところや不得手な部分を補い合えるように生活していけるといいですね。