夫育児参加

女性は、十月十日かけて徐々に母になる準備をして出産に臨みます。

本来の「母性本能」も備わっていますし、出産後には母乳も出るようになります。

「ママとして子どもを守って、ちゃんと育てていかなければ」と、使命感や責任感でいっぱいなのです。

一方男性は、子どもが産まれたからって、すぐに「父親としての自覚」ができる訳ではないので、すぐにパパとして育児に向かうことが難しいのですね。

でもね、たいていの奥さまは「夫にも育児を分担してもらいたい」と思っているものなのです。

貴方も少なからず「自分もパパになったんだから育児分担しなきゃな」って思っているのではないでしょうか。

では、男性たちが、育児に積極的に「参加しない理由」、または「参加できない理由」って何でしょうか、考えてみました。

  1. 赤ちゃんは小さくて柔らかすぎて、こわくて扱い方がわからない。
  2. もともと家事も育児もやったことがないから、どうしていいのかわからず、やたらに手を出せない。
  3. 男は母乳も出ないから授乳できないし、育児は女がやるものだと思う。大変そうだけど、一歩引いて見守るしかできない。
  4. 仕事が忙しくて、休日は少しでもゆっくり休みたい。なかなか子どもに関わる時間が持てない。

などでしょうか。

確かに、育児の仕方は学校や専門学校で習ったわけでもないので、何をどうしていいのかわからないというのもわかります。

年齢的にも中堅どころで、職場でも仕事を任されたり、リーダー的な立場になってきているので、仕事が忙しくて時間がないという方も多いのでしょう。

妻子を養っていくために仕事も大変ですし、辛いことやストレスも多いでしょう。

でも、仕事には有給休暇や休日や昼休みがありますね。

通勤時間には音楽聴いたり、スマホ見たり、本を読んだり、自分のことができるし、帰宅したら、仕事から離れることが可能です。

育児のことを考えてみてください。

赤ちゃんが産まれてからしばらくは、24時間夜中も休みなしです。

3時間おきに起きて授乳したり、おむつを頻繁に交換する必要があります。

理由もわからず泣き止まないことも多くありますし、熱を出したり理由もわからず心配なこともあります。

奥さまは、こんな24時間育児をしながら家事もこなしているのではありませんか?

なのに貴方は、奥さまに「おまえは一日中家に居るから、ゆっくりできていいなぁ」なんて思ったり言ったりしていませんか?

では、夫が育児に参加してくれないことを、奥さまはどう考えているのでしょうか。

  1. 育児には休む時間がなく、休日もない。少しの時間でも夫が子どもの面倒を見てくれたら、昼寝や自分のことができるのに。
  2. 仕事が忙しいのはわかるけど、夫が育児参加できないのなら、せめてほんの少しでも「思いやり」や「感謝」「労い」などの言葉がほしい。
  3. 子どもの可愛さや愛おしさ、育児の楽しさや喜びなどを、夫にも知ってもらいたいし、分かち合いたい。
  4. いきなり「イクメン」や「いいパパ」になろうと理想を高く持ち過ぎて挫折しないで、無理せずできることから少しずつやってみてほしい。

いかがですか。

妻たちは、夫が育児に少しでも関わることで、子供と接する楽しさや喜び、辛いことや大変なことなどを共有し、理解してくれることを望んでいるのですね。

では、夫として、パパとして、貴方は何ができるのでしょうか、何をするのがいいのでしょうか。

どうしたら育児をできるだけ分担して、夫と妻が極力負担なく楽しく育児や子育てを一緒にやっていけるのか、具体的な方法を提案してみます。

①育児や家事などを書き出して見える化する

奥さまに協力してもらって、育児や家事で、実際にやっていることを思いつくだけ一緒に全部書き出しましょう。

朝起きて夜寝ている時まで全てです。

例えば、子供が保育園に行っている場合、考えられる育児や家事は、「朝食を作る」「弁当を作る」「子供に食べさせる」「子どもの着替え」「朝食の片付け」「洗濯」「洗濯物を干す」「子供のおむつ替え」「子供の着替え」「布団の片付け」「子供を保育園に送る」「掃除」「ゴミを集めて出す」「食品などの買い物」「保育園迎え」「夕飯作る」「保育園の連絡帳見る」「風呂掃除」「お風呂を沸かす」「子供を風呂に入れる」「洗濯物を取り込む・畳む・しまう」「子供に夕飯食べさせる」「夕飯片付け」「子供の歯磨きさせる」「子供に絵本を読み聞かせ」「子供を寝かしつける」などです。

また、毎日のことではないこととして、「子供の爪切り」「子供の散髪」「保育園の行事や保護者会」「子供の予防接種」なども考えられます。

そして、それを誰がやっているのかも、色分けなどをしてわかるようにします。すると、ほとんどの家事や育児を妻が担当しているということが一目瞭然になったりします。

「こんなにたくさんの量を一人でこなしていたんだね、今まで気付かなくてごめんね」などと労い感謝することも忘れずに。

②自分にできることを見つける

書き出した育児や家事のリストの中から、貴方にもできそうな育児や家事を見つけてみましょう。

わからなければ、奥さまに「俺にもできそうなことは何かな」「やり方を教えてくれないかな」などと、アドバイスをもらうのもいいかもしれません。早速、できることからチャレンジしていきましょう。

最初は上手に完璧にできなくて当たり前です。やり方のコツを奥さまに教えてもらいながら、もしダメ出しされても挫けず慣れるまで頑張りましょう。

③できることを増やしていく

貴方は仕事をしながら育児に参加するのですから、無理は禁物です。しかし、休日など、時間に余裕がある時には、できる家事をやるだけでも、奥さまにとっては助かり感謝されると思います。

「今、手が空いてるけど、何かやってほしいことないかな?」などと聞いてみることもいいと思います。

自分から、更に他の育児や家事に参加できるように努力することで、できることが増えてあなたも自信がつきますし、奥さまも時間の余裕ができて身体を休める時間が取れれば精神的にも身体的にも安定し、夫婦の会話も増えて夫婦関係ももっと良くなってくるでしょう。

④奥さまが辛そうなら他の人に手伝ってもらう

もし、あなたが育児や家事に参加する時間が持てない場合や、どうしても奥さまの思うように育児分担ができないような場合で、奥さまが育児や家事でいっぱいいっぱいで辛そうな時には、両親や親族に手伝ってもらう、ベビーシッターにお願いするという考え方もあります。

どうですか、できそうなことがありますか?

特に出産後の女性の場合、ホルモンバランスや子育てに対する不安、体調不良、生活の変化など、心身両面でのさまざまな原因によって、夫の育児への関わりに不満を持ち、急激に夫婦仲が悪化する「産後クライシス」という現象も多くなっています。

この「産後クライシス」を防ぐためにも、今すぐできることは、育児や家事への労いや感謝の言葉がけや、奥さまや子どもへの愛情を伝えることです。

奥さまの「私は休む間もなく、貴方と私の子どもを大切に一生懸命育てているのよ」という気持ちを受け止めて認めて理解してあげることです。

そのうえで、奥さまの心身を少しでも休めるために「育児分担ができるのか」「何の育児分担をすることが、妻にとって有難いのか」を、夫婦で話し合いながら見つけて、実践していくことが大切だと思います。