パートタイマー

「妻に働いて欲しくない」とお考えの男性、いらっしゃいますか?

妻が常勤の仕事に就いている場合や、パートや自営というようなケースもありますが、最近は共働きのご夫婦が多くなってきました。

結婚を機に仕事を辞める女性は減ってきているようですが、まだまだ妊娠や出産の際に退職するという女性もいらっしゃるようです。

周りの方を見ていると、最近は「共働きの妻が妊娠して出産前に産休に入り、子どもが産まれた後は、保育園や実家などに預かってもらえる目途がついたら職場復帰する」というケースが多くなっている傾向があるように思います。

私が結婚した30年以上前は、まだまだ「子どもが産まれたら仕事を辞めて家庭に入る」という専業主婦が多い時代でした。私もそうでした。

そのような家庭で、専業主婦の母親に育てられた男性と、母親がずっと仕事に就いていて、それを見て育ってきた男性とでは「妻が働くこと」に対する考え方も違うのかもしれませんが、「妻に働いて欲しくない」と考えている男性もいらっしゃるんです。

なぜ、妻に働いて欲しくないと思うのでしょうか。

〈妻に働いて欲しくない心理〉

妻に働いて欲しくないと考えている男性の心理は、主に以下のようなものです。

  • 自分の母親がずっと働いていて、子どもの頃に帰宅しても一人で寂しい思いをしていたので、子どもには同じ思いをさせたくない。
  • 自身の収入が多く、安定しているので、妻が働く必要がないと思っている。
  • 自分の稼ぎで妻子を養うのが男の甲斐性だと思っている。
  • お金よりも家族で過ごす時間や母と子どものふれあいの時間を重視したい
  • 自分があまり家事が得意でないし、家事や育児は妻にしてもらいたい
  • 仕事が終わって帰宅した時に、妻には食事を作って待っていてほしいし、妻に甘えたい
  • もし、転勤になった際に、単身赴任でなく一緒についてきてもらいたい
  • 浮気しようが何しようが結婚生活を自分の思い通りにしたい「食わせてやってるんだから、俺の好きにさせろ、文句を言うな」と思っている
  • 妻が働きに出ると、浮気されないか不安になる

これらのようなさまざまな不安や理由があって、妻が働くことをよく思わないのですね。

実際に、妻自身はどう思っているのかも大事なことです。

<妻自身も「働きたくない」と考えている場合もある>

私自身は、元夫に「仕事しないでほしい」と言われた記憶はないのですが、出産前には当たり前のように仕事を辞めて、子どもが小学校を卒業するころまで専業主婦でした。

私自身の子ども時代は、両親が小さな食堂を営んでいて共働きで、家で妹と二人で過ごす時間も長かったのです。

休日は店を手伝ったりしていたこともあり、「自分はサラリーマンと結婚して、休日には家族で出かけたい。子どものためにPTAも引き受けよう」などと考えていました。

たとえ夫が望まなくても、「ある時期までは働かず、子どものために精一杯時間を使いたい」と考える私のような女性も、今でもいるのではないかと思います。

もし、妻が専業主婦を希望している場合は、貴方と妻の気持ちが一致し、うまくいきますね。

しかし、「どうしても仕事を辞めたくない」「一日も早く働きに出たい」という希望を持っている女性も多いと考えられます。

貴方が「妻に働いて欲しくない」と思っている場合は、「働きに出たい」「仕事を続けたい」と思っている妻にどのように自分の気持ちを伝えればいいのでしょうか。

〈妻に働いて欲しくない場合の伝え方〉

妻に働いて欲しくない場合には、「君には趣味とか好きなことして、いつも楽しく活き活きとしていてもらいたいんだよね」「俺が仕事頑張るから、君には疲れてぐったりしているのではなくて、いつもニコニコ笑っていてほしいな」などと伝えてみてはいかがでしょうか。

しかし、こんなこと言っておいて、後々「専業主婦だから小遣いいらないよね」なんて決して言ってはいけませんよ。

他にも、「自分が子どもの頃に鍵っ子(今でもこの言葉、使われてますか?)で、とても寂しい思いをしたから、自分の子どもには同じ思いをさせたくない」など、「妻に働いて欲しくない」というより「妻には家にいてほしい」と思う理由を正直に伝えてみることで、わかってもらえるかもしれませんね。

でも、もし、実際に妻が働いたとしたら、どんな困ることがあるのでしょうか?

〈妻が働くことは、思うより悪くないかも〉

もしも、妻があなたの反対を押し切って働きに出たとしましょう。

貴方にとって、どのようなメリットやデメリットが考えられるでしょう。

<デメリット>

  • 必然的に家事や子育ての分担がまわってくるかもしれない
  • 妻が仕事で疲れて夕食が手抜きになるかもしれない
  • 両親が留守がちで子どもが寂しい思いをするかもしれない

<メリット>

  • 世帯の収入が増えて、将来に対する不安が減少される
  • 収入が増えることで、夫婦や子どもの将来の選択肢が増える
  • 妻の社会性が増し、夫婦の会話の幅が広がる
  • 自分自身も家事や子育てに参加し経験するいい機会になる

これらのデメリットと思える「かもしれない」と予想している部分を、メリットとして考えるように思考を切り替えることで、メリットが多くなりますよね。

また、男性相談者様の方で、「何もしてくれない妻と離婚したい」と思った時に、妻が専業主婦で「無収入の妻を簡単に見捨てるわけにいかない」と、離婚を諦めたというケースもありました。

妻が働くことは、それほど悪いことばかりではないかもしれませんよ。

<不安や心配があるなら条件をつける>

妻が働くことに不安や心配があるのでしたら、妻が働くにあたって、条件をつけたり約束を交わしたりして、認めるという考え方もあります。

例えば「子どもが帰宅する時間には、家に居られるようにする」「夫婦のすれ違いを防ぐために、夫と休日を合わせる」「無理だと思ったら頑張り過ぎずに辞める」などの約束や条件です。

条件をつけたり約束を交わすことで、貴方にとって心配なことがクリアになるかもしれません。

〈さいごに〉

今は「妻に働いて欲しくない」と思っているかもしれませんが、ずっと妻を籠の鳥のように閉じ込めておきたいのですか?

妻が少しでも若くて元気に働けるうちから、少しずつでも働くことを認めて、歳を重ねて身体が辛くなったら休めるように、という考え方もあります。

貴方が「妻に働いて欲しくない」という気持ちと理由を、きちんと妻に伝えて、妻の気持ちも否定せずに聞いて、夫婦や家族のためにどうするのがいいのかを、一緒に決めていけるといいですね。