「妊活」とは「妊娠活動」の略語です。
離婚の相談を受けていると、30代前後の離婚を考えているご夫婦の中に、妊活が原因でケンカが増えたり、セックスレスになってしまったり、夫が不倫に逃げたり、という状況になってしまって離婚の選択を迫られているケースが増えているように感じます。
妊活をすることで、子どもを授かることができるご夫婦もいらっしゃいますが、なかには何年も妊活しているのに、なかなか思うようにいかないケースもあるのです。
多くの人が、結婚して避妊しなければそのうち妊娠するだろうと考えて結婚します。
お互いに子どもが好きで、「結婚したら子どもは2人は欲しいよね」「女の子が欲しいね」「男の子でも女の子でもいいから元気に生まれてきてほしいね」などと、妊娠することが前提で話しているカップルも多いのです。
しかし、結婚前にお互いに精子や卵子などの検査を受けたというカップルは、少数だと感じています。
実際に結婚して、月日が経過して、親御さんや周りの人たちの「子どもはまだ?」というようなプレッシャーを感じたり、妊娠を待ち望んでいる本人たちも不安になったりします。
そこで「妊活」という選択を話し合ったりするんですね。
ではまず「妊活」が原因で離婚するカップルの多くにみられる3つの原因をご紹介しましょう
妊活のプレッシャー
妊活は、夫婦の絆を深める一方で、お互いに想像以上の心の負担を伴うことがあります。
体調を整えるべく生活や食事を変える、生理周期に合わせた生活、そして何よりも焦りや不安もあります。
妻には、どうしても一人で抱え込んでしまいがちな辛く苦しい感情や痛みがあります。
一方、夫も妊娠するためだけのSEXに虚しさを感じていることもあります。
このようなことで夫婦間の小さな隙間や亀裂を生むことがあるんですね。
期待と現実のギャップ
妊活中の毎月のサイクルが、夫婦にとって希望と落胆の繰り返しとなることもあります。
本当は2人で手を取り合って、同じ未来を夢見て歩んでいるはずなのに、思うように結果が出ないことで、その期待と現実のギャップが心に深く刻まれる痛みになることもあるんですね。
その悔しさや涙は、夫にとって妻にとってそれぞれ異なる形で心に影を落とします。
医療の進歩と情報過多によるストレス
妊活に関する情報は、インターネット上にも無数に転がっていますので、どうしても探して見てしまうという人も多いもの。
それでも、何が正しいのか、どの方法が夫婦に合っているのかは分からないものです。
その情報過多が、逆に心の迷路を作ってしまうこともあります。
また、医療の進歩によって、体外受精などのさまざまな方法にチャレンジすることも可能になりました。
そのチャレンジには高額なお金を費やすものも多くあります。
そして、高齢になっても妊娠の期待ができる方法もあり、妊活を終わらせる時期や、費やす金額についての判断で夫婦が不仲になるケースもあります。
では、妊活が原因で離婚しないためにはどのような方法が考えられるのでしょう?
夫婦間のコミュニケーションを重要視する
愛情が深ければ深いほど、相手の気持ちを考えて言いたいことも言えなかったりしますね。
共に妊活を進めていく中で、お互いの気持ちや感じているストレスをしっかりと共有することができることが理想です。
しかし、お互いに不安も期待もありますし、それは簡単なことではありません。
自分の本心や希望を相手にうまく言葉で話せない時は、手紙やメールなどで文字にして伝えることもチャレンジしてみてください。
妊活中夫婦の心理的サポートを考える
妊活の問題は、決して夫婦二人だけのものではありません。
親や友人、そして専門家からの暖かい励ましやアドバイスが、妊活の道のりを少しでも明るくしてくれます。
周りの人々の優しい言葉や理解は、妊活を乗り越えるための大切な大きな力となります。
妊活中には心のケアも大切にしたいものです。
カウンセリングや専門家の助けを借りることで、心の痛みを癒し、再び夢に向かって力を合わせて進む気持ちを取り戻すことが期待できます。
さいごに
夫婦で話し合って離婚を選ぶこともあるでしょう。新しい出逢いに向けて気持ちを切り替えて進んでいってくださいね。
また、夫婦のどちらか一方の決断で離婚に進んでしまうケースもあると思います。
「どうしても離婚はしたくない」「こんなにギクシャクしてしまったのに元には戻れない」など、さまざまなお気持ちやお考えがあるでしょう。
もし、どうしても子どもが欲しいということでしたら、今のパートナーとの子どもは難しいかもしれませんが、新たなパートナーと出逢って、また妊活に新たな気持ちでチャレンジできる可能性もあるのではないでしょうか。
人生は一度きり。悔いのないように選んで進んでいってくださいね。