「優しくて穏やかだった妻が出産後に豹変してしまった」と悩んでいませんか?
何か自分に悪いところがあったのか、手伝い方が足りないのかなど、いろいろと考えてしまいますよね。
出産する前の夫婦二人の生活の時と、子どもが生まれてからの生活は、大きく変わるものです。
特に母親になった妻にとっては、自分のことだけ考えて居られた”自分中心の生活”から、赤ちゃんのことをずっと考えている”子ども中心の生活”に急変するわけです。
初めて経験することなのですから、戸惑うことや上手くいかないことが続くのも当たり前です。
妻が出産後に豹変する原因としては次のような事柄が考えられます。
- 出産によりホルモンバランスが乱れ、イライラしたり攻撃的になりやすい
- 生活リズムが激変し、家事も育児も思うようにこなせない辛さ
- 思い通りにいかないことが続くので、体力的にも精神的にも疲れが溜まってしまう
- 夫婦2人の子どもなのに自分だけが子育てをしているように感じ、不公平感が募る
- 夫から感謝やねぎらいの言葉がないし、子育ての大変さを理解してもらえていないと感じる
- 常に子どものことを考え、ゆっくり眠ることもできず自分の時間がないことを、夫がわかってくれない
- 毎日子育てと家事でヘトヘトになっているのに、セックスを求めてくる夫に嫌悪感を抱いている
このようなことが原因で、優しかった妻が出産後に豹変したりするのですね。
「産後クライシス」という言葉があるのですが、聞いたことがありますか?
出産後に急激に夫婦仲が悪化する現象のことをいいます。
夫婦仲悪化の要因としては、妻のホルモンバランスの変化、体調不良、子育てに対する不安、ライフスタイルの変化など、心身両面でのさまざまな原因や、子育てや家事への夫の関与について、強く不満を抱くことなどが考えられています。
妻の出産後の豹変の陰には「産後クライシス」が隠れているかもしれません。
次に、妻が出産後に豹変した場合に、夫はどのような気持ちでいるのか考えてみましょう。
- 妻がいつもイライラしていて自分のことを避けるのが辛い、何かを手伝おうとしても拒否されるため、いつも妻に気を使いビクビクしている
- 妻が「大切な子どもを守りたい、キレイな無菌の状態で育てたい」と思うあまり、夫が外から雑菌を持ち帰ってくると思い、子どもに触らせてもらえなかったり、寝室を分けられたりすることが辛く寂しい
- 妻が疲れていることや夫を避けていることで、仕事から帰っても妻も子どもも寝てしまっていて、ほとんど会うことも話すこともできずに家に帰る楽しみがない
- 妻は一日中子どもにかかりきりで、家事が手抜きになっているのもちょっと困る
- そろそろセックスを再開したいけどとても誘える状況ではない、この状況がいつまで続くのか先が見えない
- 自分にどうしてほしいのかを具体的に言ってほしい、イライラしていて対応に困る、とにかくいつも不機嫌で無視されて、どう接したらいいのか途方に暮れている
このような気持ちで毎日過ごしているのは、夫としてどんなに辛いことかお察しします。
妻の機嫌や態度が悪い状態の毎日が続いたら、家に帰って安らげないし、家に居場所もないと思ってしまいますよね。
妻が出産後に豹変してしまい、家で相手にされないため、寂しくてつい浮気に走ってしまうという男性もいらっしゃいます。
妻が必死に育児をしている時に、夫が他の女性と浮気していたと妻が知ったら、更に大変なことになりますから、他の女性に逃げるのだけはやめましょうね。
では、出産後に豹変してしまった妻に対して、どのように対処すればいいのか提案していきます。
①妻に休む時間を作ってあげる
育児は24時間休みがありません。仕事と違って有休も昼休みもないのです。
出産後しばらくは、子どもが夜中に何度も起きることがあり、ゆっくりと眠ることもできません。休日など、静かな部屋でゆっくり眠れる時間や、一人で買い物などに出かける時間ができるように、積極的に家事や育児に協力しましょう。
②妻の身体の不調や辛い気持ちを理解する
妻のイライラや不機嫌の原因をできるだけ理解するようにし、家事や育児について感謝や労いの言葉をかけましょう。妻の愚痴や話を、否定したりアドバイスしたりせずに、ただ「そうなんだね、大変だね」と聞いてあげることも有効です。
③夫婦二人の子どもであることを自覚する
妻は、”夫が子育てに関心を持っていないし関わろうともしない”と思っているかもしれません。
子どもが小さいうちから父親として子どもに関わることはとても意義があることです。
お風呂に入れる、おむつを替える、寝かしつけるなど、休日や仕事から帰った夜でもできることがあるかもしれません。
機嫌の悪い妻からダメ出しされることもあると思いますが、めげずにチャレンジしていくことで、慣れていくものです。「夫婦2人の子どもなのだから一緒にやっていこう」という気持ちと態度を妻に示しましょう。
④家事分担を見直す
手を抜けない完璧主義の妻の場合、育児だけでも大変なのに、家事まで完璧にこなそうとして辛くなってしまっていることがあります。
夫がやる家事には満足できないかもしれませんが、残業時間を少なくしたり休日出勤や休日の趣味の時間を少し削って、少しでも妻の家事の負担を減らそうという行動や気持ちがあれば妻に伝わると思います。
時短や手抜きできる便利家電を使ったり、この時期だけでも掃除のプロの手を借りたり、食材配達サービスを利用することも考えてみましょう。
⑤専門家に頼ってみる
妻が、眠れなかったり、泣いてばかりいたり、子どもに手を出しそうになったりして精神的に辛そうな時には、心療内科や精神科などの専門医に相談することをおすすめします。
うつ症状は放っておかずに早めに受診してみることが大切です。
また、行政の産後ケア事業もあり、出産をした母親の心身のケアや乳幼児の健康管理、育児相談などが市町村主体で実施されていますので、相談してみることもいいと思います。
他にも、ご夫婦ご一緒に夫婦問題カウンセラーに相談していただくことも検討してみてください。
カウンセリングで”自身の頑張りと辛さ”を受け止めて認めてもらうことで、妻の気持ちが軽くなったという例もあります。専門家ではありませんが、妻の実家に相談して母親に手伝いに来てもらうことも有効な場合があります。
さいごに
厚生労働省の調査で、末の子どもが0~2歳で離婚した”出産後2年以内の離婚”が全体の38.4%という数字が示されています。
出産後の子どもが幼い時期に夫婦仲に亀裂が入り、それが離婚に繋がるケースが多いということです。
“離婚”という最悪の結果にならないように、「妻が出産後に豹変した」と気づいた時に、早めの対処がとても大切だということがわかりますね。
いつも妻に「君がいちばん大切、子どもも大切、君と子どもを守りたいと思っている」と伝えて、少しでも良好な夫婦関係を築いていってくださいね。