夫婦問題の相談を受けていると「妻が待つ家に帰りたくない」と思っている男性が、多くいらっしゃることがわかります。
本来なら、仕事を少しでも早く切り上げて、早く家に帰りたいと思うのでしょうけど、「妻が待っていると思うと帰れない、帰りたくない」という気持ちになるのですね。
そのため、無理やり残業や休日出勤したり、パチンコやカフェで時間をつぶしたり、小遣いが自由にならない夫は公園のベンチに座っていたり、時間つぶしに歩いたりして、わざと妻子が寝静まったころに帰宅したりするのです。
これは「帰宅恐怖症」ともいわれ、重症になると、ネットカフェやカプセルホテルなどに寝泊まりして出勤したり、家出や蒸発をしてしまうケースもみられます。
自分の家なのに気が休まらずくつろげない・・・
理解できない男性もいらっしゃるかもしれませんが、妻が待っていると思うと、帰りたくなくなる、帰れなくなってしまうのです。
このような「帰宅恐怖症」になりやすい男性の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 温厚で争うことを好まない
- まじめで責任感が強い
- 気が弱く、優しい
- 感情を表に出さず、我慢することが多い
- 暴力をふるったり、怒鳴ったりしない
- 仕事に対しても真面目
- 仕事で大きいストレスを抱えている
- 女性の扱いが上手くない
- これといった趣味がない
- 妻に頭が上がらず、反論できない
男性には、それほど悪いところがあるように思えませんよね。
そうなんです。
たいていの「帰宅恐怖症」は、一緒に暮らしている妻が原因になっているのです。
では、なぜそうなってしまったのでしょうか。
考えられる原因を挙げてみましょう。
- 疲れて帰宅しても、妻が愚痴や小言を機関銃のように話してくる
- 妻から「おはよう」「おかえりなさい」の簡単な挨拶もない
- 妻がいつも機嫌悪く、怒っているように感じる
- 家の中がいつも散らかっていてくつろげない
- 料理も手抜きで、ちゃんと作ってくれない
- 妻は自分が悪くても認めず、謝ることがない
- 他の夫と比べられて、バカにされる
- 子どもばかりをかわいがって、自分とは話そうとしない
- 自分の話はほとんど否定されるし、提案も却下される
- 家計を妻が握っていて、小遣いも自由にならない
- 妻からのDVやモラルハラスメントがある
当てはまる項目がありますか?
妻も共働きで、妻が主に家事や子どものことをやっている場合は、「お互いに疲れて帰って来ているのに妻だけが家事や子育てもやる」ということに、妻が不公平感や不満を抱えていることも考えられます。
この場合は、妻の要望を聞いて、自分も家事や子育てに参加できるようにするだけでも家での居心地が良くなる可能性があります。
妻が専業主婦の場合には、やはり家事や子育てをできるだけ妻に任せたいと考えますよね。
最近は、パパも子育てに積極的に参加したり家事を進んでやってくれて、そのことをSNSで妻が自慢するというケースも増えています。
身近にそのような夫婦がいると、「妻が自分たち夫婦と比較して、やってくれない夫に愚痴を言う」ということも耳にします。
それぞれの家庭には、それぞれの夫婦に合ったやり方があるのですが、隣の芝生は青く見えてしまうのでしょう。
実際に、「妻が待つ家に帰りたくない」と思っている貴方のために、改善の方法をいくつか提案します。
- 話しにくいと思いますが、妻に「怖い」ということを伝えてみる
- 妻の話を否定せずきちんと聞く
- 妻の顔色をうかがって我慢ばかりしないで、自分の生き方を変える努力もしてみる
- 妻に「どうしてほしいのか」を伝えてみる
- 場合によっては、「別居や離婚も視野に入れて考えている」と話してみる
いかがですか?
「そう言われても、妻が怖くて面と向かって話ができない」という場合もあるかと思います。
そのような場合は、手紙やメールで自分の気持ちと共に、次のようなお願いの文章で伝えるという方法もおすすめします。
- 怒ったり文句を言ったりせずに、自分の話をじっくり聴いてほしい
- 自分を否定せず認めて欲しい、褒めてくれるともっと嬉しい
- 妻が機嫌よく笑顔で過ごしてくれると、とても嬉しい
- 自分のことを浮気していないかと疑って、束縛しないで信じてほしい
- 用事以外のメールやLINEは、できるだけ控えてほしい
- 家はできるだけ居心地のいい家にしてほしい
などです。
また、自分自身でできることとしては、公共の相談窓口やカウンセラーに相談してみたり、症状がひどい時には、精神科や心療内科を受診したり専門家の力を借りることも有効です。(病院に泊まって通勤する”ナイトホスピタル”という治療もあります)
仕事ではストレスが溜まり、はけ口もない。
家に帰っても妻に文句や暴言を吐かれ、優しい貴方は言い返すこともできずに我慢する。
このような状況が続いたら、優しく気の弱い男性は、妻が待つ家に帰りたくない「帰宅恐怖症」になっても不思議ではありませんね。
しかし、なってしまってから改善するのはとても大変です。
「妻が待つ家に帰りたくない」「妻が強くて、とても言い返せない」「妻に言いたいことが言えない」「家に帰るのが辛い」などと思う段階で、専門家にご相談いただくことをおすすめします。
最近は、強い女性が増えてきていますので、気持ちの優しい男性がそのような状況になるのは、よくわかります。
「男のくせに情けない、恥ずかしい」とか思わずに、ぜひ早めのご相談をお待ちしております。